アネックス迎賓館

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海外ドラマ『MR. ROBOT』は Python プログラマに見て欲しい

今年も“テレビ界のアカデミー賞”と呼ばれる、第68回エミー賞の授賞式が、日本時間の9月19日(月)に行われます。

 

今年のドラマシリーズの作品賞部門ノミネートは次の7つ。

  • 『ベター・コール・ソウル』 ( Better Call Saul )
  • ダウントン・アビー( Downton Abbey )
  • ゲーム・オブ・スローンズ( Game Of Thrones )
  • 『HOMELAND ホームランド( Homeland )
  • 『ハウス・オブ・カード 野望の階段』 ( House of Cards )
  • 『MR. ROBOT / ミスター・ロボット』 ( Mr. Robot )
  • 『ジ・アメリカンズ』 ( The Americans )


中でもわたしが注目しているのは、『MR. ROBOT / ミスター・ロボット』が作品賞を取れるか? というところ。日本ではAmazonプライムビデオで視聴出来ます。

 

youtu.be

ジャンルは…サイバースリラーもの、とでも言えば良いのでしょうか。もしくはテロリストもの、でしょうか。サイバーテロリストである主人公・エリオットを通じて、「社会秩序とは何か」「自分自身とは何者なのか」をテーマにしている作品です。

 

わたしも正直、シーズン1の第5話まではあんまり乗れませんでしたが、今では「シーズン2第9話をはよ!!!」って感じになっています。

 

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エリオットは対人関係は苦手だが、高度なハック能力を持つセキュリティエンジニア。GNOME使いで、よくPythonのコードを書いているシーンが映しだされます。むっちゃタイピングが早いです。

 

彼はサーバセキュリティ会社「オールセーフ」社に勤務するかたわら、その高度な能力を使って、仕事外では身近な人間をハックし、さまざまな情報を把握しています。

例えば、彼のカウンセラーの先生の性癖とか、エリオットと幼なじみの女性が付き合ってる男は他の女性と付き合っている事など、身近な人物がSNSなどを通じてネットにまき散らしている情報を、全部把握しています。

そして…ヤク中でもあります。

 

彼が勤務するオールセーフ社は世界を牛耳るコングロマリッド「Eコープ」社のサーバ管理を任されているのですが、ある日、Eコープ社のサーバがDDoS攻撃を受けます。

エリオットは攻撃を阻止するために手を尽くす中、サーバに残された文字「f.society」を発見、f.society は、Eコープ社のサーバを全て止めることで、一部の権力者のみが牛耳るこの地獄のような世界から、新しい秩序が生み出すことを目的とするテロリスト集団。

そしてエリオットはこの f.society に参加、サイバーテロを起こそうとし…。

 

といったあらすじです。

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アメリカでは現在USAネットワークでシーズン2が放送中、予定では9月21日にシーズン2の最終回となる第12話が放送されます。いよいよ佳境ですね。

日本でも現在、シーズン2の第8話までが配信されているという爆速っぷり。今どきのネット配信すごい! ほぼタイムラグなし!

 

前述の通り、この作品はとにかくコンピュータ関連の描写が多く出てくる作品なのですが、非常に考証がしっかりとしています。特にサーバ管理を仕事にしている人はニヤリとしながら楽しめる作品になるでしょう。

 
サブタイトルもユニークで、シーズン1のサブタイトルは

  1. 「eps1.0_hellofriend.mov」 (邦題: 「やあ、君」)
  2. 「eps1.1_ones-and-zer0es.mpeg」 (邦題: 「1かゼロか」)
  3. 「eps1.2_d3bug.mkv」 (邦題: 「デバッグ」)
  4. 「eps1.3_da3m0ns.mp4」 (邦題: 「デーモン」)

…のように、拡張子っぽいものがついているところも、ちょっとニヤッとさせます。邦題がちょっと残念な感じですが…。

 

また、アップル、googlefacebookなど、実在企業の実名が多数出てくる所も特徴です。第1話で、エリオットがEコープのCTOが使っているケータイ(ブラックベリー)を見て「世界的な企業のCTOがブラックベリーを使ってるとは、技術者には程遠いバカだ」と軽蔑したりしているシーンなどを見ると「おぉ…」ってなります。

 

そしてカメラワークや音楽が美しい。被写界深度が狭い映像や、構図にこった絵作りなどを見ると、日本のドラマで何でこういう絵作りが出来ないのだろう、といつも思ってしまいます。

エピソードも、シーズン1第4話や、シーズン2第6話は、特に頭おかしい事になってますね。


 

なお「海外ドラマは1シーズンあたりの話数が多いからなぁ…」と敬遠したくなりますね。わたしもそうです。

ですが『MR. ROBOT / ミスター・ロボット』は、シーズン1が10話、シーズン2も12話とコンパクトなのも良い点です。

 

ぜひこの三連休でイッキ見して、エミー賞授賞式を楽しみにしましょう!